グランドハンドリングという仕事のなかで、最も「お客さまに直接対応する」機会が多いのが旅客スタッフ。航空機に近いところで働く部門とは違ったプロフェッショナルさが求められる業務です。
目的地に到着したお客さまが向かう手荷物受取場。そこでお客さまを出迎えているのが旅客スタッフです。ここではお客さまの手荷物を確実にお手元にお届けするために対応します。特にスーツケースは似たようなものが多く、メーカーや色が同じというケースも珍しくありません。
そのため、お客さまが別のお客さまの荷物を手にしてしまう「クロスピックアップ」が発生してしまいます。それを防ぐためのアナウンスをしたり、クロスピックアップの発生時に迅速に応対します。
また、体の不自由なお客さま、お手伝いを必要としているお客さまの搭乗・降機をサポートするのも重要な仕事。車椅子を押して機側までお客さまをお連れしています。
初めての空港で不安なお客さま、何かお手伝いが必要なお客さま、困っているお客さま……空港にはさまざまなお客さまがいらっしゃいます。そんなお客さま一人一人に寄り添い、おもてなしをする。まさにコンシェルジュの役割が旅客スタッフです。
仲間と協力し仕事に取り組む空港職員にあこがれ入社した。「お客さま対応など仲間と協力して1つの仕事を成し遂げたときの達成感は、ほかの業界ではなかなか感じられない。」落ち着いた表情でそう語る長谷川真紀は、羽田空港で旅客を担当して18年になる。
子育てをして、時短勤務をしていた当時は昇進を諦めていた時期もあった。しかし日々の頑張りが認められ昇進したいま、自分の行動で会社を変えられることにやりがいを感じている。
現在は、よりお客さまに対するサービスが向上するよう、教育担当として常により良い教育を考えている。「入社当初はお客さまにどう話していいかがわからなかった。知識があるのに一歩踏み出せなかった自分が歯がゆかった。」今後は自分の経験を積極的に後輩に伝えていく。
「以前は、航空機を安全に飛ばすのはパイロットの仕事という意識をどこかで持っていた。だがJGSグループの様々な仕事を知るたびに航空機の安全を確保しているのはパイロットだけでなく、航空機に携わるすべての仕事があってこそであり、JGSグループの仕事はまさに安全の最前線である。」そう考えるようになった。
旅客部門は直接お客さまと接し、お客さまの不安を対話の中で取り除くことで仲間と共に作り上げた安全な航空機にご案内するとても重要な部門である。常に周囲に気を配り、少しでもお困りのお客さまがいれば積極的に話しかけている。
JALグループ社員が参加するJALフィロソフィ教育の場で営業部門の仲間の話を聞いた。「一人でも多くのお客さまにJALの翼を選んでいただけるよう、日々苦労し地道な努力を続けている。」その話を聞いたとき、営業部門をはじめとした多くの仲間のバトンが繋がっているからこそ、目の前にお客さまがいらっしゃるのであり、お客さまにご利用いただいているのは決して当たり前のことではない。そう強く思った。
長谷川は三児の母だ。
第一子の子育てでは、子供が熱を出した時など、自分の意志とは関係なく会社を休まなければいけないことが辛く悩んだ時期もあった。しかし、当時の上司から「今後の後輩たちのモデルケースになるように頑張ってほしい。」そう言われたことが今でも忘れられない。「男性も育児に参加する事が当たり前になった今、誰もが働きやすい職場を作っていくことが私の目標です。」長谷川は静かにそう語った。
より良い会社にするために長谷川をはじめ多くの社員が日々努力している。